スプリングドライブって
グランドセイコーの中でも高そうだし
買った後に後悔したらどうしよう。
今回はそのような心配をしている人向けの内容です。
・後悔しがちなポイント
・後悔を回避するポイント
この2つを解説していきます!
目次
スプリングドライブの概要
本題に入る前に
スプリングドライブがどんなものか
知っておく必要があります。
なぜなら、
そこに後悔しやすいポイントが集中しているからです。
ざっくり言うと
機械式とクオーツ式の良いとこ取りしたもの。
ゼンマイの力を動力源にしているので電池が要らず、
クオーツ式の制御により機械式時計よりも遥かに高精度です。
詳細な説明は
この記事の趣旨から外れるので割愛します。
スプリングドライブの後悔
非の打ち所が無いように思える
スプリングドライブですが弱点は存在します。
レビューを集計すると
「費用がかかる」「修理が難しい」の2点に集約されます。
- 費用がかかる 56%
- 修理が難しい 27%
- その他 17%
これらを順番に見ていきましょう。
後悔ポイント1:スプリングドライブは費用がかかる
もっとも多い後悔は「費用面」です。
購入費と維持費の2つを考えていきましょう。
高級時計の価格と言えば
数十万円~数百万円、
オーバーホール代も数万円と
それなりに高いものです。
では
スプリングドライブはどうでしょうか?
具体的に見ていきましょう。
スプリングドライブの購入費
新品のスプリングドライブは
一番安くて50~60万円です。
- 中3針(SBGA299):約52万円
- GMT(SBGE255):約72万円
- クロノグラフGMT(SBGC223):約170万円
スプリングドライブの維持費
維持費といえばオーバーホール。
スプリングドライブも機械式腕時計と同じように
3~4年毎にメンテが必要です。
スプリングドライブは
特殊機構なのでGSに依頼する場合がほとんどです。
1回あたりの費用をまとめました。
- 中3針(SBGA299):57,200円税込
- GMT(SBGE255):57,200円税込
- クロノグラフGMT(SBGC223):86,900円税込
スプリングドライブが寿命を迎えるまでに
いくらかかるのかは、こちらで考察しています。
>>スプリングドライブは壊れて一生使えない?寿命を徹底考察!
ベーシックなスプリングドライブを
2021年に購入したら、2045年頃まで使えると考察しています。
その間にオーバーホールを5回すると合計30万円くらいです。
スプリングドライブは費用がかかる:まとめ
スプリングドライブの費用をまとめると以下のとおり。
購入費:50万円代~数百万円
オーバーホール費:57,200~86,900円/回
費用面で後悔をしないために
このようにスプリングドライブは
合計でかなり高額になります。
予算的にも長く付き合えるか考えておきましょう。
厳しいと感じる場合は
他のモデルを検討するのもアリです。
- メカニカルの場合
- 購入費:40万円台~数百万
- オーバーホール費:51,700円~61,600円/回
- クオーツの場合
- 購入費:25万~50万円台(一部除く)
- オーバーホール費:39,600円/回
維持費は後々
ボディーブローのように効いてきますので
購入前に考えておきたいところです。
後悔ポイント2:スプリングドライブは修理が難しい
次に多い後悔が「修理の難しさ」です。
スプリングドライブを長く使いたいと考えている人には
気になるポイントです。
Q.もし、スプリングドライブが壊れたら?
A.グランドセイコーに修理を依頼するのが基本です。
特に精度調整しているところ(トライシンクロレギュレーター)は
特殊なパーツなので一般修理店では難しいでしょう。
グランドセイコーの修理体制
不具合箇所の修理は
新しいパーツに交換することが多いと思います。
GSのホームページによるとパーツの保管期間は
生産終了から10年を目安とあります。
つまり、
搭載されているムーブメントの生産終了から
10年程度は盤石な体制と言えるでしょう。
仮に10年が過ぎても、
パーツの在庫があるうちは修理・メンテ対応するとGSにも確認済み。
裏を返せば
在庫がなくなればグランドセイコーでも
修理困難ということになります。
では、具体的にいつまで使えるか?
この記事で考察しています。
>>スプリングドライブは壊れて一生使えない?寿命を徹底考察!
修理面で後悔しないために
スプリングドライブ以外の選択肢を
簡単に知っておきましょう。
クオーツ式の場合も
スプリングドライブのように
ICの故障が懸念されますが
適切な使用・メンテで長年使うことは十分可能です。
また、スプリングドライブよりも
かなり手頃な価格なので
寿命を迎えても割り切りやすいと思います。
メカニカルの場合、
将来的に純正パーツが在庫切れなっても
パーツ作成を受け付けている修理店に
依頼することもできるでしょう。
アンティークウォッチは
その好例と言えます。
実際に筆者の手元にある1960年代の時計も
リペアされながら世代を越えて元気に動き続けています。
後悔ポイント3:その他
後悔理由のトップ2は
「費用」と「修理が難しい」でしたが、
その他にも
このようなレビューがあります。
- 機械式とクオーツどっちつかず
- ケースが厚め
機械式とクオーツどっちつかず
スプリングドライブは
機械式とクオーツ式の両面性があるので
解釈も人それぞれ。
「高精度な機械式時計」でもあり
「電池不使用のクオーツ式時計」とも言えます。
どっちつかずさを悔やむ流れは
こんな感じでしょうか?
勢いでスプリングドライブを購入
↓
しばらく使って冷静に考える
↓
精度重視ならクオーツ
長年使うなら機械式でよかったかも
買う前にスプリングドライブ、クオーツ、機械式
3つの特徴をしっかり理解しておけば
後悔も少ないでしょう。
ケースが厚め
通常のスプリングドライブはケースが厚めです。
例えば
9R65搭載モデルの多くは
厚みが12mm程度あります。
一般的に自動巻の時計は
ローターやゼンマイの巻き上げ機構があるので
厚みが出やすいです。
薄め好きな人は、手巻き(Cal.9R02)かクオーツ式がおすすめ。
>>グランドセイコーSBGT237をマニアブログがレビュー!ビジネス最強モデル
クオーツの場合、
薄いものだと厚み1cm以下のものもあります。
ちなみに
GSの機械式ムーブメントの9S系も
自動巻タイプは厚めで
13mmを超えるものも多いです(一部除く)。
ただ、厚みが悪かと言えば
そうとも言い切れません。
実用時計としての耐久性を考慮すると
むしろ安心設計とも言えます。
スプリングドライブの後悔:まとめ
スプリングドライブの
主な後悔ポイントはこの2つ。
・費用がかかる
・修理が難しい
費用を抑えられるクオーツや
修理面で有利なメカニカルもしっかり検討してから
スプリングドライブと付き合ってみてはいかがでしょうか。