
・セイコー5スポーツのGMTってどんな時計?
・5万円前後で高いけど買う価値はある?
・セイコーダイバーズSKXと比べてどう?
この疑問にお答えします。
当ブログの結論はこちら。
・第3時間帯まで表示できるGMT機能
・本格メカニカルGMTで5万円ならコスパ抜群
・SKX007のような防水スペックは無し
今回はさらに、
これらをマニア視点で深掘りしていきます。
- 新ムーブメントの実力
- 外装クオリティー
- GMT(第3時帯表示)の使い方
- カスタム例
- 気になるところ
ボリューム満載のレビューですが
購入を迷っている人や後悔したくない人は
ぜひ最後までご覧ください!
目次
セイコー5スポーツGMTの概要

セイコー5といえばコスパ最強の機械式腕時計。
本格メカなのに1万円~4万円の価格帯で
世界的にも大人気シリーズです。
セイコー5には多くのモデルがありますが
長年にわたり「中3針」が基本でした。
そこへGMTモデルが追加されたのは相当なインパクト。
本格機械式GMTが5万円代と破格な上、
廃盤となった名作ダイバーズSKXを絡めた宣伝で
ファンの注目も集めています。
セイコー5を詳しく知りたい人はコチラもどうぞ。
>>セイコー5はコスパ最強!ハマると沼 マニアが教える7つの魅力
セイコー5 GMTは絶妙なサイズ感
【SKXスタイル】中3針モデル | 【SKXスタイル】 GMTモデル | |
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|
厚み | 13.4mm | 13.6mm |
横 | 42.5mm | 42.5mm |
縦 | 46.0mm | 46.0mm |
重さ | 170g | 161g |
定価 | 33,000円 | 52,800円 |
中3針モデルと同様に
日本人の腕に馴染みやすいサイズ感です。
両者のサイズはほぼ同じですが
ガラス風防、ブレスの仕様の違いによる
若干の差があります。
セイコー5スポーツGMTのムーブメント

セイコー5の主力ムーブメントと言えば
「7S26」「7S36」「4R36」の3つ。
実用性に優れ、世界中のユーザーから信用を得ているいメカです。
そこへ今回、GMT専用の「4R34」が追加されました。
機能をサクッと見ていきましょう。
新ムーブメント4R34:スペック比較

ざっくり言えば、
「4R34」は従来の4R36をベースにGMTを搭載したと考えられます。
曜日表示を失い、GMTを得たようなイメージでしょうか。
精度や駆動時間はこれまで通りです。
新ムーブメント4R34:精度テスト

GMTムーブメント「4R34」の精度テストの結果、
手元の個体は平均+8秒/日でした。
比較用に、
4R36も載せていますが両方とも
カタログ値の「+45〜ー35秒/日」をクリア。
経験上、
セイコー5の主力である7S系と4R系の
精度は大体こんな感じです。
詳しく知りたい人はこちらもどうぞ
>>>セイコームーブメント比較!7S26・7S36・4R36・6R15の違いは?
セイコー5スポーツGMTの外装

GMTモデルの外装の完成度は
セイコー5の中でも最上級です。
ポイントを見ていきましょう。
- 日付が見やすい拡大レンズ
- 艶やかなベゼルインサート
- 質感アップした5連ブレス
外装ポイント1.日付が見やすい拡大レンズ

セイコー5では珍しく、
日付表示に拡大レンズを採用しています。

ロレックスのサイクロプスレンズより
拡大倍率は低そうですが、
十分に見やすくなりました。
外装ポイント2.艶やかなベゼルインサート

GMTモデルのベゼルインサートは
ハードレックスガラス製で
高い質感と趣深さが魅力的です。
中3針モデルではベゼルの作りが少々チープなので
すぐに外していた筆者ですが、
今回のクオリティなら純正のままで十分満足です。
ちなみに
SNZH系のセイコー5もキレイなガラス製ですが、
今回のGMTモデルの方が印字と色合いは鮮明に感じます。

外装ポイント3.質感アップした5連ブレス

名作「SKXシリーズ」の廃盤と共に
姿を消した5連ブレスが
今回のGMTモデル用にリニューアルされました。
主な変更点は「強度」と「中コマの仕上げ」です。
SKXシリーズ(通称ボーイ)といえば200m防水の本格ダイバーズ。
堅牢な本体に対して
フニャフニャな5連ブレスに疑問を抱くファンも多かったはずです。
今回のGMTモデルでは
コマ同士の距離を詰めて、
ブレスの構造を変えたことで強度アップを図ったと考えられます。

(下)一般的な5連ブレス:5つのコマで構成
ちなみに、筆者の経験上
5連ブレスの剛性イメージはこんな感じ。
SKX品<今回のGMT品<タイコノート品
ハードな使用を考えているなら
タイコノートのジュビリーブレスが有利でしょう。
>>タイコノートのジュビリーブレスをロレックスと比較!高品質なセイコーMODに最適
GMT(第3時帯表示)の使い方

「時針」「GMT針」「両回転ベゼル」を使うと
3つの時間帯を設定できます。
試しにこの例で設定してみます
- 第1時間帯:ホノルル(9:00)
- 第2時間帯:東京(4:00)
- 第3時間帯:パリ(20:00)
第1時間帯:時針と分針を設定

最初はホノルルの時間を合わせます。
リューズを2段階引いて、
普通の時計のように時分針を合わせます。
第2時間帯:GMT針を設定

次に、東京です。
ホノルルとは時差+19時間なので
GMT針をベゼルの「4時」位置に合わせます。
第3時間帯:回転ベゼルを設定

最後にパリです。
東京との時差-8時間分ベゼルを回転させます。
パリの時間はGMT針が指す「20時」となります。
ちなみに、
パリ(第3時間帯)に回転ベゼルを合わせた時でも
チャプターリングの24時表記を見れば
東京(第2時間帯)の時間はすぐにチェックできます。
セイコー5スポーツGMTのカスタム&MOD

素のままでも完成度が高いので
下手にイジれないのが正直な所。
シンプルなカスタム例をいくつかご紹介します。
カスタム方法の解説はこちら
>>セイコー5カスタムやり方を完全伝授!安価な方法と道具も大公開
セイコー5 GMTカスタム1:ベルト交換

セイコー5スポーツといえば、
ラグ幅が22mmであることが多いです。
今回のGMTモデルも22mmなので
すでに所有しているNATOベルトやレザーベルトがあれば
取り付け可能です。
セイコー5 GMTカスタム2:ベゼル

やはり定番のペプシカラーは映えますね。
GMT機能にこだわりが無ければ
ダイバーズ系のベゼルとも相性良好です。
気分で遊べるのはカスタムの醍醐味。
セイコー5はカスタムパーツが豊富なので
興味がある人はコチラもどうぞ。
>>セイコー5 カスタムパーツのおすすめショップを徹底レビュー!
セイコー5スポーツGMTの気になるところ
致命的な欠点はないですが、
個人的にこの2つが気になります。
順番に見ていきましょう。
- セイコー5の基本機能だった曜日表示が無い
- SKXのようなダイバーズだと勘違いするかも
気になるところ1:曜日表示が無い

セイコー5の基本機能である曜日表示が、
今回のモデルではカットされてます。
もともと
「セイコー5」というネーミングは5大機能に由来し、
その一つに「デイデイト表示」があります。

セイコーミュージアムにて撮影
個人的に
曜日表示がないセイコー5は見たことがありません。
あって当たり前だった機能なだけに
寂しく思うファンも多いのでは。。。
気になるところ2:潜水用防水ではない

今回のGMTモデルも
SKX(ボーイシリーズ)を絡めた宣伝をしていますが
ダイバーズウォッチではありません。
ボーイの後継機種を期待してる人には残念ですが、
GMT用両回転ベゼルだったり
潜水用防水では無いなど
本家SKXの代わりは務まらないでしょう。
ただし、
10気圧防水なので日常使用には十分です。
総合評価:セイコー5スポーツGMTは「買い」

(左:セイコー5 GMT 右:グランドセイコーGMT)
本格メカニカルGMTが約5万円とコスパ抜群。
ファンのツボを押さえた一本です。
かなりオススメですが
予約販売など品薄が続いてます(2022年9月時点)。
流通量が落ち着くと販売価格も手ごろになり、
今後いろんなカラーも出ると予想されます。
しばらく待つのもアリでしょう。