グランドセイコー sbgr251
GSらしい洗練された美しいデザイン



SBGR251を一言で表すなら

「グランドセイコーの王道モデル」




理由はこの3つです。

  • 伝統のデザイン理念を忠実に守っていること
  • GS復活の1998年から引き継がれているモデル
  • 9Sメカニカルであること




今回は
これらのポイントを深堀りしつつ
SBGR251の魅力と気になるところを
マニアレビューしていきます。



SBGR251の概要

グランドセイコーコレクション
各コレクション:左からヘリテージ、エレガンス、スポーツ、マスターピース(引用元:GS公式HP)


GSには主に4つのコレクションがあります。
SBGR251はヘリテージコレクションの1つで、
機械式ムーブメントが搭載されています。

カラー:SBGR251は銀 SBGR253は黒

sbgr251-sbgr253
左:SBGR251、右:SBGR253(引用元:GS公式HP)


2カラー展開となっていて、
SBGR251はシルバーダイヤル
SBGR253はブラックダイヤル
です。


サイズと重さ

SBGR251とビジネススーツ
腕回り16cmの筆者的に37mm径はジャストサイズ


  • ケース横:37mm
  • ケース厚:13.3mm
  • 腕回り長さ(最長):192mm
  • 重さ:140g



最近のGSでは40mm前後のモデルが増えているので
小ぶりな時計を探している人には貴重な選択肢です。
シンプルかつ37mm径ながら
どっしりとした存在感があります。



筆者の経験上、
他のヘリテージコレクションをつけているときよりも
周りの反応を感じます。


魅力1:伝統のデザイン理念による輝き

SBGR251の輝きの理由について

grandseiko sbgr251



色んなGSを見てきましたが、
SBGR251の力強い輝きは格別です。


GSでは「燦然とした輝き」を表現するために
各モデルにも伝統的なデザイン理念「セイコースタイル」が取り入れられていますが、
現代的な解釈やキャラに合わせたアレンジが加えられがち。



SBGR251はデザイン理念をストレートに取り入れて
「燦然とした輝き」をMAXに高めたようなイメージ。
まさに、GSの王道モデルと言えるでしょう




SBGR251のディテール

セイコースタイル インデックス



セイコースタイルには
3つのポリシーと9つのデザイン要素が定められています。



3つのポリシーはこのような内容。

  1. 平面を主体として平面と二次曲面からなるデザイン。三次曲面は原則として採り入れない
  2. ケース・ダイヤル・針のすべてにわたって極力平面部の面積を多くする
  3. 各面は原則として鏡面とし、その鏡面からは極力歪みをなくす



SBGR251の場合、
特にポリシー3の鏡面について
他のモデルよりも意識的に行なっています。



インデックス・ダイヤルリング・針の仕上げを
部分的にツヤ消しにしたモデルも多い中、
SBGR251は徹底的なポリッシュ仕上げです。



夜光塗料は不使用なので、
美しい光沢を全面で味わえます。


1つ1つは
ちょっとした違いでも
全体の印象に大きく関わります。


魅力2:GS復活時から継承されてきたモデル

SBGR251の系譜

多面カット針
多面カットの針もGSの伝統:薄暗くても浮かび上がるような輝き



グランドセイコーのメカニカルウオッチは
ざっくりこんな歴史です。

  • 1960年〜 :販売スタート
  • 1972年〜 :生産ストップ
  • 1998年〜 :復活(9Sメカニカル販売)




1998年に復活した
機械式モデルは「9S系」としてリリース。



この時に販売されたSBGR001は
GS王道のデザインを取り入れ
以降、20年以上にわたり引き継がれてきました。

  • SBGR001(1997年〜):9S55搭載
  • SBGR051(2010年〜):9S65搭載
  • SBGR251(2017年〜):新ロゴ変更



2010年に
9S65搭載に伴うモデルチェンジをしていますが
見た目はほとんど変わりません。



2017年は
GSのブランド戦略としてロゴの配置変更。
流行り廃れとは無縁のデザインを持つSBGR251は
完成型の1つと言えるでしょう。


魅力3:9Sメカニカルであること

グランドセイコームーブメント
9S65ムーブメント:コートドジュネーブ仕上げの輝き



GSといえば3つのムーブメントがあります。

  • クオーツ(9F系ムーブメント)
  • スプリングドライブ(9R系ムーブメント)
  • カニカル(9S系ムーブメント)



機械式腕時計が全盛期の時代に
輝かしい実績を残し続けてきたグランドセイコー。



現在でも
メカニカルはGSの中核を担うシリーズです。



SBGR251に搭載される9S65は
クロノメーター規格よりも厳しい基準である
GS規格(2A級)をクリアしています。

GS規格とクロノメーター



オーバーホールや9Sの魅力はこちらで解説。
>>グランドセイコー9S65ムーブメントの評価&レビュー


SBGR251の気になるところ

SBGR251生産終了で後継なし

残念ながらSBGR251や色違いのSBGR253は廃盤で
後継機種もリリースされていない状況です(2021年3月時点)。



40mm径のモデルが人気だったり
他にも魅力的なモデルが増えた等が
要因だと考えられます。



ニーズに合わせた決断と言えますが
メカ好き&細腕の筆者にとっては残念。



ちなみに、
手巻きモデルやクオーツモデルには
まだ37〜38mmサイズがラインナップされています。

SBGR251の厚いケース

ケースザラツ研磨



SBGR251はケースが少し分厚いです。



一般的に機械式腕時計は
パーツ数が多いのでクオーツ時計よりも厚くなりがち。



似たデザインのGSクオーツ「SBGT237」は
薄くて使用感も良好でしたが
SBGR251はわずかにシャツの袖口との干渉を感じます



ただ、
厚みは立体感を表現しやすいメリットがあります。



SBGR251は文字盤のインデックスやロゴが
少し背が高めだったり
デュアルカーブ型の風防によって
全体的にボリュームがあります。


インデックスとロゴの立体感
インデックスとGSロゴの立体感



ポリッシュ仕上げの輝きも相まって
37mmモデルながら
他には無い、強い存在感・高級感を放っています。


また、9S系ムーブメントは
耐久性にも優れており、堅牢な作りになっています。
実用機として必要な厚みとも言えるでしょう。



どうしても厚みが気になる場合は
このような選択肢もあります。

  • 手巻きモデル
  • クオーツモデル
  • 新型ムーブメント9SA5搭載モデル


SBGR251の総合評価

GSのラインナップの中でも
コスパ良くGSの真髄をしっかり味わえる1本です。


廃盤は残念ですが
セイコーアウトレットなどで
安く在庫販売もされています(2021年3月時点)


手に取る機会があれば
GSらしい輝きと重厚感をチェックしてみてください


気になる人はレンタルという手もアリです。