IWC-マーク18




・IWCのマーク18が気になる
・どんな時計か詳しく知りたい



この疑問にお答えしていきます。



様々な高級実用機をレビューしてきた
筆者の結論はこちら。

マーク18は良し悪しがはっきり
・装着性と視認性は◎
・外装とムーブメントは改良の余地アリ



この理由を包み隠さず
徹底レビューしていきます。





IWC マーク18はパイロットウォッチの王道

マーク18裏蓋
マーク18裏蓋:ユンカースJu52をデザイン



IWCマークシリーズといえば
パイロットウォッチの名作と呼ばれる時計です。


最大の特徴は「視認性の良さ」




初代から一貫して
黒文字盤に白いアラビア数字を採用し、
飛行機の計器のような
盤面デザインはマークシリーズのシンボルと言えるでしょう。



今回レビューするマーク18も
伝統を引き継いだモデルになります。

IWC マーク18の精度

IWC-マーク18



公表されていませんが、
出荷時はクロノメーター規格以上に
チューニングしてると思われます。



ちなみに
手元の個体(IW327011)の精度はこちら。

ETA2892A2-テスト


比較用に、
まだ新しく久しぶりに動かした
ハミルトン(ETA2892-A2搭載)は平均+4秒/日と妥当な範囲。


一方、
同じムーブメントをベースとするマーク18は
−12秒/日と明らかなズレ。
(直近のOH時期が不明なのでメンテが必要かも 汗)



検証としてはビミョウな結果でしたが、
数年の使用でこの程度の振れ幅はあり得そうです。




マーク18の魅力1:視認性の高さ

マーク18夜光塗料
マーク18の夜光塗料:バー型インデックスと針に塗布



腕時計にとって、
見やすさは重要な機能。

視認性へのアプローチは
ブランドごとの特徴が出やすく
比べると面白いポイントでもあります。



IWCマーク18 ガラス
マーク18の視認性:白と黒のコントラストは理屈抜きに見やすい



ざっくり言ってしまえば
インデックスや針の
「形状」「輝き」「立体感」「色」を工夫するケースがほとんど。



マークシリーズの場合は
白と黒の「色」による視覚効果を
最大限に引き出しています。




マーク18の魅力2:装着性の良さ

IWCマーク18装着
マーク18のサイズ:厚み11mm、ケース径40mm、重量151g



「薄めのケース」と「5連ブレスレット」のおかげで
装着性はかなり良いです。



特にブレスレットはかなり優秀。

  • 5連ブレスなのに剛性◎→高い安心感
  • 柔軟なコマの動き→良好なフィット感



マーク18の装着性はかなり良く
腕回り16cmの筆者でもしっかりフィットします。




IWCマーク18バックル調整
マーク18のバックル:ワンプッシュで簡単に微調整が可能



さらに
バンド長さを簡単に微調整できる機能もけっこう便利。
無骨に見えるバックルですが
仕上げや可動部の荒さは無く、
高級機の水準をクリアしています。



気になるところ1:安っぽい?工業製品感

IWCマーク18針
マーク18:針の質感は甘め。他にも・・・


マーク18は同価格帯ライバルと比べると
合理的な製法にかなり寄っている印象があり、
「ザ・工業製品」って感じが否めません。



例えば、
グランドセイコー、ロレックス、オメガの時計も
同価格帯の工業製品ですが、
「外装へのこだわり」や「独自ムーブメント」など
手間やコストの掛け方が鮮明だったりします。



ネット上で
マーク18を安っぽく感じる声もありますが
これらが理由かもしれません。


オメガコーアクシャル
オメガ:独自機構の脱進機を搭載(写真はCal.8500)


SBGN003秒針、分針、時針
グランドセイコー:仕上げの美しさに注力




とは言え、
男心をくすぐる趣深いかっこ良さは
マークシリーズだけが持つ魅力。
ブランド性や歴史に共感できるなら指名買いとなるでしょう。


気になるところ2:ムーブメントの性能

マーク18とETA2892A2



手元の個体から感じたのは、

  • パワーリザーブが42時間と短い
  • ゼンマイの巻上げ効率がイマイチ



ムーブメントは「ETA2892-A2」ベースなので仕方ないですが、
土日に外してると月曜朝には止まってます。



また、仕事で着けているだけでは
ゼンマイの巻上げ不足で
翌朝に止まっていることも度々。




グランドセイコーウォッチスタンド
経験上、Rolexの32系とGSの9S系はゼンマイの巻上げ効率が良好



同じ使い方でも十分に動く、
グランドセイコー「Cal.9S系」やロレックス「Cal. 32系」に慣れてる人は
物足りなさを感じるかもです。


ここが気になる人は
業界トレンドのパワーリザーブ3日間をクリアしている
マーク20も要チェックです。

IWC マーク18:総合評価

IWC-マーク18



マーク18は視認性と装着性が◎
IWCが積み上げてきたパイロットウォッチの歴史や
趣深い雰囲気はマークシリーズならではの個性です。


一方で、
ムーブメントや外装の質感には改良の余地アリ。
マーク20に期待です。