ゼニスのエルプリメロが気になる
どんな魅力がある?
エルプリメロといえば
超有名なクロノグラフムーブメントで
半世紀にわたり「ハイビート&クロノグラフ」という
絶対的な強みを持ち続けてきました。
ただ、そのスペックもスマホや100均で
間に合ってしまう時代。
クロノグラフは垂直クラッチが主流となる中、
エルプリメロには古き良き安心感を求める時計ファンも
いるのではないでしょうか。
今回は、開口部から覗くメカが魅力的な
クロノマスターオープンをレビューしてきます。
目次
ゼニスのエル・プリメロは何がすごい?
エルプリメロのすごいところって何?
簡単に言えば、
自動巻クロノグラフの元祖の一つである事や
ハイビートである事でしょうか。
エルプリメロは1969年にリリース以来
熟成を重ね、他の高級ブランドにも搭載されるなど
業界でも代表的なクロノグラフムーブメントと言えます。
また、エルプリメロは振動数が高く、
より安定した精度を出す事ができます。
- 一般的な機械式時計:28,800振動/時(8振動/秒)
- ゼニスエルプリメロ:36,000振動/時(10振動/秒)
ハイビートの注意点と弱点
エルプリメロに限った話ではないですが、
ハイビートは振動数が高い分、摩耗やオイルの劣化も早くなります。
また、動力(ゼンマイの巻き上げ)を
早く消費するのでパワーリザーブも不利になりがちです。
これら特性を知っておいた方が良いでしょう。
ゼニスのエル・プリメロ(ムーブメント)について
エルプリメロって
どんなムーブメントなの?
エルプリメロとはゼニスのクロノグラフムーブメントのことで
たくさん種類がありますが、
いずれもこの2つは共通です。
- ハイビート(36,000振動)
- クロノグラフ(自動巻き)
エルプリメロの系譜をざっくり整理すると
こんな感じでしょうか。
- Cal.3019PHC:元祖エルプリメロ(1969年リリース)
- Cal.400系:リローンチ版(1980年代リリース)
- Cal.4000系:400系の派生機種(2000年代リリース)
- Cal.3600系:最新機種(2021年リリース)
Cal.400系は元祖エルプリメロの色が濃く
「スモールセコンド」「12時間積算計」「30分積算計」といった王道のイメージ。
Cal.4000系は機種が多く
オープンハート、ムーン&サンフェイズ、パワーリザーブ表示、
ビッグデイトカレンダー、カレンダー、1周10秒のクロノグラフ秒針などの
バリエーションや組み合わせによって派生数を増やしています。
エル・プリメロ Cal.4021のレビュー
今回レビューするのはCal.4021搭載モデルで
エルプリメロのクロノマスターオープンに
よく使われるムーブメントの一つです。
Cal.4021ってどんなムーブメント?
エルプリメロCal.4021って
どんなムーブメントなの?
この2つの要素が
特徴的なエルプリメロと言えるでしょう。
- 調速機周辺の地板をくり抜いてスケルトン化
- パワーリザーブ表示
概ねパワーリザーブ50時間で、
巻き上げ効率もほど良く、
十分に日常使いできる印象です。
ちなみに最新のエルプリメロCal.3600は
パワーリザーブ60時間と健闘してますが
土日休みで腕から外すとギリギリです。
振動数と駆動時間の両方を重視するなら
グランドセイコーのCal.9SC5になるでしょう。
Cal.4021の精度チェック
手元のCal.4021の精度を見てみました。
新品の個体ではなく、あくまで参考程度ですが。
6姿勢の平均日差が-1秒、最大差14秒で
やや姿勢差はありますが、
日常使用には十分な結果です。
Cal.4021搭載モデルの装着性
着けてみるとエルプリメロならではの存在感はありますが
サイズ感とのバランスは良好です。
ムーブメントの厚みも抑えられているので、腕への装着性も◎
クロノマスター オープンのデザインの高さ
表も裏もオープンになっていて
歯車の並びが見えておしゃれ!
文字盤からは機械式時計らしさ
裏蓋からはクロノグラフらしいメカの様子が見れるのも
エルプリメロオープンの大きな魅力です。
【クロノマスター オープン】文字盤側のデザイン
文字盤の開口部からは
主に調速機構が見えます。
- テンプ(素早く動くコマのようなパーツ)
- アンクル(2本爪のパーツ)
- ガンギ車(ギザギザの歯車)
- 4番車(60秒で1周する歯車)
アンクルやガンギ車もしっかり見えるので
心臓部の鼓動を目でも存分に楽しめます。
他にも文字盤表面、インデックスや
各所で見られるペルラージュ仕上げは
このクラスならではの質感高さがあります。
ただ、針の側面は切削痕が残っていて仕上げは粗め。
【クロノマスター オープン】うら蓋側のデザイン
うら蓋もスケルトンになっていて
クロノグラフ系のパーツや自動巻機構がよく見えます。
- 自動巻機構(ローターやリバーサー)
- コラムホイール(クロノグラフの動力を得るためのクラッチ)
- 歯車(動力伝達の中間車)
- レバー類
メカの見栄えについては
水平クラッチ式のエルプリメロは素晴らしく、
近年のトレンドである垂直クラッチ式より
優れたポイントの1つです。
エル・プリメロ クロノマスターの総合評価
エルプリメロの魅力は
半世紀の歴史を持つ「ハイビート&クロノグラフ」という絶対的な強みと
水平クラッチならではのデザイン性だと思います。
新型のエルプリメロ(Cal.3600)は
これまでの魅力も引き継ぎつつ、
大きくアップデートしているので
気になる人は実物をチェックしてみてはいかがでしょうか